竣工式は、建築祭式の三大祭式の1つであり、建築物が無事に完成したことを関係者に披露し、協力していただいた方々に感謝の気持ちを捧げ、建築物の末永い繁栄を祈願する式典です。
そんな式典にご招待された際、または開催する際に知っておきたいお祝い花についてのマナー・ポイントをご紹介いたします。
お祝い花とは
お取引先の竣工祝いには花を贈るのがビジネスマナーとなっています。お祝い花と聞いて最初に思いつくのが「胡蝶蘭」ではないでしょうか?「胡蝶蘭」はお祝いごとに送る花として一般的でオープンしたてのお店などにズラッと並んでいるのを一度は見たことがあるのではないかと思います。色は白とピンクが一般的ですが、竣工祝いの場合は全く新しい建物を建てるため、まっさらな白を選択するのがおすすめです。間違っても「赤」系は選んではいけません。 赤色は、「火事」あるいは「赤字」を連想させる色だと言われています。竣工式のタイミングでこの色のお花を選ぶのはあまりにも縁起が悪いですよね。ラッピングも赤以外で、お花屋さんに依頼しましょう。
たとえ相手の会社にテーマカラーが赤であっても他の出席者の方々より常識外れという印象を持たれてしまいますので赤系は避けましょう。
「お祝い花」に「胡蝶蘭」が定番な4つの理由
1.【縁起のいい「花言葉」を持つから】
胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」であり、会社やお店が繁盛し、今後多くのお客様に愛され発展していくことを願う「竣工式」にピッタリです。さらに、鉢植えは「根付く」という意味を持つため、「幸福が根付く」という縁起のいいものとして選ばれています。
2.【室内を明るく華やかにしてくれる】
インテリアとして人気の花でも胡蝶蘭は、特別な高級感と気品の高さが特徴です。存在感とともに室内を華やかにしてくれるので、完成したての建物にピッタリです。
3.【香りや花粉がほとんどないから】
飲食店などの開店祝いの場合、香りや花粉がお店のお食事を邪魔しまう可能性があることから花の贈りものは避けられる場合があります。しかし、胡蝶蘭なら香りや花粉がほとんどないためシチュエーションを選ばずに贈れます。
4.【花持ちがよく季節を選ばずに贈ることができるため】
胡蝶蘭は他の花に比べ枯れにくい花です。およそ2、3カ月以上もの長期間にわたり、美しさをキープできるのがおすすめポイントです。そしてお花にはそれぞれ「旬」がありますが、胡蝶蘭は1年中栽培され、育てやすいため、いつでも・どのようなシーンでも贈ることができます。
また立て札が自社のアピールになるなどの理由からお祝い花の定番として根強い人気を誇っているのが「胡蝶蘭」なのではないでしょうか。
お祝い花の相場とは?
竣工祝いにも相場があります。皆さんが一番悩むところなのではないでしょうか?先方との関係性によって変わってきますが、お祝いの花としての胡蝶蘭の相場はおおよそ3万円~10万円ぐらいです。取引の大きさ重要さなどの関係性で金額が変わります。友人・知人の場合には10,000~15,000円ぐらいになりますが、この金額では胡蝶蘭を用意することは難しいため花や品物の用意をするといいでしょう。身内でしたら10,000~30,000円と上限の金額が大きくなりますが、身内でも近い関係とそうではない場合もあるので、これぐらいの範囲で考慮するといいでしょう。お取引先の竣工祝いの相場としては、30,000~50,000円以上になっています。取引している売上が多い場合は、上限に近い額での御祝いを検討したほうがいいでしょう。また、施工業者も招かれたなら、自社の受注額に応じた金額が相場だとされていて、5万円から10万円以上といわれています。それほどお取引が無いという場合は3万円ぐらいの胡蝶蘭を選択するといいでしょう。取引額がかなりの金額になる場合は、それなりの花を贈らないと、相手方もあまり良い気がしないでしょう。「竣工式」というのは主催者側としてもかなり大きなイベントなため、あまりケチらないようにした方がいいでしょう。
その他送る時のワンポイント
立札はどのように書けばよいでしょうか?
胡蝶蘭などのお祝い花を贈る際、特にビジネスシーンでは自社のアピールにもなるため立札をつけるのが一般的です。
立札の内容は、誰が贈り主かを一目で分かりやすく目立たせるために「お祝いの文言+贈り主名」の形で贈ります。
お届け先が会社や自宅の場合は、贈り主の会社名やお名前を大きく表記できるため、贈り先のお名前は省略される場合がほとんどです。
ただ、立て札は購入する際に花屋さんで立ててもらいます。したがって、花屋さんに書いてもらえますので、自分で書く必要はありません。ネットなどで購入する際に、備考欄に「竣工祝いに送る花です」というように用途をしっかりと書いておけば、あとは花屋さんが的確な札を立ててくれます。皆さんは上記のことを予備知識としてしっておく程度でよいでしょう。
いつ到着するように送ればよいのでしょう?
竣工式当日に会場に送るようにするという考え方もありますが、竣工式当日は主催者側はバタバタすることが予想されるので、避けたほうが無難と考えます。そのため、竣工式前日に着くよう贈るほうが望ましいのですが、贈る相手が前日に不在だった場合、届けられずに結局忙しい当日に到着、なんてことになりかねません。そういったトラブルを防ぐためには事前に贈り先の受け取り可能日時を尋ねておくことが必要なのですが、お祝いですから、当日に驚かせたいという考えがあるかもしれませんね。ならば、お花は事前にそれとなく確認のしておき発送しておくとよいでしょう。
お祝いのメッセージカードを添えるとより好印象でライバルに差をつけられること間違いなし
胡蝶蘭を始めとして花を竣工祝いに贈るときには、メッセージカードを添えることもあります。立札と比べて、自分の言葉でお祝いの気持ちを伝えやすく、親しい方への贈り物に向いており、より気持ちのこもったお祝いとして喜ばれます。どのようなことを書いていいのか迷うことがありますので、いくつかの礼をご紹介していきましょう。
親しい方へのメッセージカードの場合は、多少くだけた表現でも構わないでしょう。
- 新社屋のご竣工おめでとうございます。貴社ますますのご隆盛を心から祈念いたします。
- この度は新社屋のご竣工、誠におめでとうございます。ますますのご繁栄をお祈り申し上げております。
- 新社屋の竣工を祝し、貴社ますますのご発展と社員御一同様の をお祈り申し上げます。
4つほど文例としてご紹介しましたが、このような内容になっていると、多少アレンジをしても問題はありませんね。
あまり長々と書くべきではありませんので、短い文章に御祝いの気持ちを込めることになります。友人や知人、親族の方なら、もっと親しみやすい言葉に置き換えたほうが御祝いの気持ちが伝わるのではないでしょうか。購入先のお花屋さんなどに印字してくれるサービスなどもあるかもしれませんが、自筆で作成することにより送られた側の心にもダイレクトに伝わりライバルに差をつけられるチャンスではないでしょうか。
メッセージには禁句・注意点があるので気を付けましょう。
「厳しいご時世ですが・・・」などの否定的な表現は避けましょう。忌み言葉は竣工式というお祝いの場にふさわしくないので使用しないようにしましょう。
またしても、再び、変わる、終わる、繰り返す(変わることを連想させるため)・倒れる、潰れる、崩れる 、欠ける、割れる(倒産や、建物が壊れることを連想させるため)・赤、紅、燃える、焼ける(赤字や火、火事を連想させるため)など、これらの言葉もそれぞれ否定的なイメージがあるため使用するべきではありません。あくまでも御祝いのメッセージだということを強く意識しながら適切な言葉を選ぶようにしましょう。
お祝いの気持ちはものすごくあるけど「お祝い花」の大きさには注意しましょう
ついつい忘れがちですが、お祝いだからといって、お花が大きければ大きいほどいいというわけではありません。竣工した会社・お店の規模に合わない豪華な胡蝶蘭は、せっかくの「お祝い花」がもしかしたら相手を困らせてしまうことにもなりかねません。
相手の会社・お店のスペースは事前リサーチが必須です。
竣工式・落成式、各種式典の準備・役立つ情報はこちら(シンサイサービスHP)